以前紹介した、藤田伸二元JRAジョッキーの著書「騎手の一文」の中で取り上げられていたエージェント制度について書きたいと思います。
※この記事にはエージェント制度についての個人的な意見が含まれています。
エージェント制度とは
エージェント制度とは、正しくは騎乗依頼仲介者制度と言います。
騎乗依頼仲介者とは
競走に関し、騎手が馬主又は調教師から騎乗依頼を受けるにあたり、騎手本人に代わりその受付を行う者のこと。1名の騎乗依頼仲介者が担当できる騎手の人数に、制限(3名+若手騎手1名)を設けている。
(JRAホームページより)
騎乗依頼仲介者制度については、2018年1月1日より以下の通り見直しを行います。
(1) 騎乗依頼仲介者の勝馬投票券購入禁止
騎乗依頼仲介者がJRAの競走の勝馬投票券を購入し、又は譲り受けることを禁止します。
(2) 騎乗依頼仲介者の業務範囲の変更
「騎乗依頼の受付」から、「騎手は騎乗依頼の承諾に係る代理行為を行なわせることができる」に変更します。
(3) 騎乗依頼仲介者の欠格事項
現在の欠格事項に加え、以下の者を欠格事項に追加します。
- ・JRAの馬主、地方競馬において馬主登録を受けている者、外国において馬主の免許又は登録を受けている者
- ・馬主に雇用されている者及びこれと同視できると認められる者(ただし、当該馬主の活動以外の業務にのみ従事していることが明らかな場合を除く)
- (JRAホームページより)
とのことです。
騎乗依頼が殺到して、自分で管理できなくなった騎手がエージェントを利用したことをJRAが制度化したものらしいです。
エージェント制度のメリット・デメリット
メリット
- エージェント制度を利用することで、騎乗依頼の管理を任せることができ、レースに集中することができる。
- エージェントが担当する騎手内で調整ができる。
デメリット
- 力のあるエージェントに強い馬の騎乗依頼が集中する傾向にある。
- 特定の騎手に騎乗依頼が集まり、経験の少ない若手が育ちづらい。
といった点があると思います。
私の個人的な意見としては、どうしてもメリットよりデメリットの方が大きいように感じます。
特に、若手が育ちづらい環境というのは大きな問題で、JRAの将来にも関わってくるので何とかいい改善策を見出して欲しいですね。
まとめ
エージェント制度にはファンだけでなく関係者の中でも賛否両論あります。
こういった制度については、誰もが納得するということはないと思います。
ただ、エージェントの力がリーディング争いに大きく影響しているのは間違いないと思います。
騎手の技術がどれだけ良くても、勝てる馬じゃないとリーディングを取ることができません。
エージェント制度によって、リーディング争いが騎手の技術で決まるものではなくなったのは寂しいですが、この制度によりジョッキーがレースに集中できるといったメリットもあります。
私のような一ファンでも少し問題があると思うんですから、現場のジョッキーたちは色々思うところがあると思います。
でも、現状の制度を受け止め、その中で最善を尽くしチャンスを掴む、今の所これしかないんでしょうね。
エージェント制度とは全く関係ありませんが、私自身も置かれている状況に文句を言うのではなく、その環境の中で自分のベストを尽くしたい、そう思いました。
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